まずは健康状態を知ろう!


▶客観的データの確認(人間ドッグのすすめ)


人間ドックでは検査データを元に医師の問診・診察を受け、生活習慣の予防や治療、その他の健康問題についてアドバイス・指導を受ける。

概ね、人間ドッグの専門病院、専門診療所で受けるのが一般的です。検査の一部には、前日の夕食時あたりから絶飲食など事前の準備が

必要なものもあり、確認が必要です。結果はその日のうちに判明しないものあります。


人間ドッグの種類について

人間ドッグは大きく分けて2種類に分類されます。

いわゆる所属している健保組合・会社などで勧められる血液検査や尿検査等の「基礎ドック」とCT検査などの画像診断でより精密な検査を行う「専門ドッグ」になります。

●基礎ドック

・会社の健康診断であり基礎的な数値を網羅

・糖尿病や高脂血症などの生活省看病リスクに関する検査が中心

・会社が加入する健康組合での受診であれば、費用負担が少ない

 


主な検査内容


名前 内容
血液検査

 血糖値や赤血球などを計測。

 糖尿病なども調べる

身体測定

体重の大幅な増減ないか確認。

臓器の異変を確認。

胸部X線

肺や心臓についての検査。

肺炎などの病変を確認。

肝機能検査

黄疸や肝硬変のリスク確認

 

糖尿検査

尿や血中の糖分値をチェック。

糖尿病リスクを確認

●専門ドッグ

・脳梗塞やがん細胞の有無など高リスクな病変を確認

・絶食や放射線被ばくなどの身体的負担も増加

・子宮や卵巣などの女性特有の病気検査もカバー

・不整脈など心疾患もフォロー


主な専門ドッグ


名前 内容
 がんドッグ

 CTなどの画像診断とともに

体部のがん動脈をチェック

脳ドッグ

MRIやCTなどの画像診断で

脳梗塞などを調べる

レディース

ドック

女性ホルモン検査や卵巣・

子宮エコーを実施

心臓ドッグ

MRIなどの画像診断で心筋

梗塞リスクを確認

メタボドッグ

心電図による不整脈検査や

高脂血症をチェック


●人間ドッグでは、検査が精密になればなるほど身体的・肉体的不安は増えていきます。


人間ドッグの主な目的は?

人間ドックでは、日本人の死因のトップ3である心筋梗塞(心疾患)脳卒中(脳血管疾患)の2つの生活習慣病とがんの早期発見を目指しています。

3つの疾病に関してはいずれも発症の有無に合わせて治療や対策を立てることが可能であり、初期段階は自覚症状がない場合が多いからです。


▶人間ドッグ検査で知っておくべき検査


【検査1】

基礎健診

身長と体重から計算するBMI(肥満度)や体脂肪率・血液・尿・血圧などを測定。動脈硬化、疾患、脳卒中などの原因になる生活習慣病をチェック

費用感 9,000円~1万円

【検査2】

超音波検査

超音波を発振するプローブをあてて、腹部の器官・組織をチェック。腫瘍や結石などの病変があった場合、通常とは違った濃淡の画像として映される

費用感 5,000円~1万円

【検査3】

MRI(MRA)

磁気共鳴という物理現象を利用し、体内の断面を画像化し病変を発見する。CTに比べると放射線被爆の心配がなく、より精密な画像を映し出せる。CTに比べるとコスト大

費用感 1.5万円~6万円

【検査4】

CT

身体にX線を照射し、コンピュータで解析して断面図として画像化、腫瘍や結石だけでなく、血管の細部まで確認出来て、血栓や閉塞までチェックが可能

費用感   1万円~2万円

【検査5】

X線撮影

胸部X線撮影は、左右の肺、心臓、胃部や腹部のガスの状態などをチェック。病変をふるいわけるスクリーニング的な検査として使われることが多い

 費用感        1.5千円(胸部・胃部)  

【検査6】

PET

陽電子放射断層撮影。陽電子で組織の働きを確認。正常な働きよりも活発な糖代謝を行うがん細胞の特徴を活用し、がんの早期発見に多用される

  費用感    10万円~30万円

【検査7】

ペプシノーゲン検査

胃から分泌されるペプシノーゲンという物質が血液中にどれくらいあるかを測ることで慢性胃炎の進み具合をチェック。胃がんの早期発見につながる

 費用感     2千円~4千円

【検査8】

ピロリ菌検査

胃・十二指腸潰瘍の原因になるピロリ菌を調べる。内視鏡による採取のほか、血液・尿・便・呼気からチェックする方法もある

費用感  1千円~3千円

【検査9】

胃内視鏡検査

医師が粘膜の状態を直接確認出来るため、消火器の検査としては一般的。口から内視鏡を入れて、食道・胃・十二指腸の状態をチェック

費用感  3千円~8千円

【検査10】

大腸内視鏡検査

内視鏡を肛門から挿入し、腸管内を直接観察していく

 費用感     2万円~3万円

【検査11】

便潜血検査

消化器官で出血があると便に血液が混じるため、化学的潜血反応、免疫学潜血反応などの検査で、肉眼では判別出来ない血液の混入をチェック

費用感     2千円~3千円

【検査12】

負荷心電図検査

決められた運動、動作によって心臓に一定の負荷を与えた状態で計測する心電図。不整脈や虚血性心疾患が疑われる場合、心臓にかかる負担をチェック

 費用感 1.5万円~2万円

【検査13】

肝炎ウイルス検査

体内のウイルス成分、それに対抗して出来るウイルスマーカーを測定して、どのウイルスに感染しているのかチェック。肝炎ウイルスで多いのはB型、C型

費用感

 1千円~2千円

【検査14】

子宮頸部細胞診

子宮や膣の粘膜を採取して顕微鏡で観察し、正常な細胞と比較する検査。この検査により異常が発見されると、がんの早期発見につながる

費用感

3千円~5千円

【検査15】

骨密度検査

骨の組織が十分か密度を調べる検査。超音波、CTなどで測定する。

費用感

1千円~5千円


■年代別 推奨検査項目

   年代    推奨する検査
30代

 将来の生活習慣病に備えて糖分値に注意

・空腹時血糖値 ・X線検査(上部消化管) ・超音波検査(胸部)

40代

 定期的な検査が必要な世代

・X線検査(上部消化管) ・便潜血検査 ・PET検査

50代

 3大疾病に対する検査を重視

・超音波検査(胸部)・ホルダー型心電図検査・PET検査・CT検査

60代

 1年1度は疾病を念願に置いた検査

・超音波検査(腹部)・PET検査・負荷心電図検査・CT検査・MRI検査


医療費について理解しよう!


■医療費の仕組みを理解しよう

日本の公的医療保険制度の主な特徴は他の諸外国と違い、「国民皆保険制度」と「フリーアクセス」になります。

健康保険証さえあれば、基本的にどこの医療機関でも受診することが可能です。

患者(被保険者)は、医療保険者に保険料を支払うことによって健康保険証を給付され、保険診療を受けることが出来ます。すべての診療サービスには「診療報酬」という点数表によって報酬がサービス10点として定められています。患者が保険医療機関を受診した際には一部負担金を支払います。医療機関では保険診療(医療保険が全額適用される)と自由診療(全額自己負担になる)を併用することは原則禁止されています。仮に自由診療を併用した場合、保険診療部分も全額自己負担になります。

■医療保険で受けられる医療の範囲

医療保険で受けられる医療の範囲は、

①診察

②薬剤の給付

③保険医療材料の支給

④必要な医療

⑤入院

⑥入院時の食事

■医療保険で受けられない医療の範囲

労働保険等の他の保険の適用範囲であったり、発生の原因によっては医療保険で受けられない医療のあります。

①業務上の疾病および負傷

②健康診断やそのための検査

予防医療

美容医療

⑤正常妊娠、正常分娩

⑥経済上の理由による妊娠中絶

⑦故意の犯罪行為または故意に事故を起こしたとき

⑧けんか、酔っ払い、麻薬中毒などで事故を起こしたとき

⑨交通事故による傷病

※①~⑨以外に薬剤の容器代、喘息などの吸入用治療剤施用のための小型吸入器、往診、訪問医療、訪問看護等の交通費(実費)なども保険では給付されず、患者負担になります。

医療機関等は、審査支払機関に診療報酬の請求を実施。審査が済むと支払機関から医療保険者に請求書が送付され、患者が支払った一部負担金が支払機関を通して医療機関等に支払われます。

■診療報酬制度のポイントまとめ

ヘルスケア・フィナンシャルプランニングプログラムでは診療報酬制度を細部まで理解しておく必要はありません。

診療報酬明細書から自身がどのような治療・サービス・薬剤を給付され、どれくらいの料金(点数)がかかっているのか確認出来るレベルで充分です。


▶病気の値段

前述したように病気にかかる保険診療費用は診療報酬点数表によって細かく定められた算定値で決まります。医療行為を点数にした診療報酬点数表は膨大な量になりますが、その計算のもとになる基本の算定法則はそんなに多くはなく、診療という医療行為をいくつかの算定法則にあてはめていけば、診療報酬点数が出てきます。

今回は本項では診療報酬の算定ルールを説明するのではなく、医療現場ではどの病気の治療・手術に実際のどのくらいの費用がかかっているかイメージとして理解していただくため、慈恵医科大学病院が公表している2010年4月~9月のデータを参考値にさせていただきました。その平均医療費は患者3割負担で入院費込の料金になります。

(数値は平均値を採用しているため、患者さんの病状によっては増減するケースもございます。)